『Land Readjustment: Solving Urban Problems Through Innovative Approach』

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Land Readjustment: Solving Urban Problems Through Innovative Approach

開発途上国での急速な都市化は、都市のスプロール現象、スラム化、都市のインフラ不足、人間の安全保障に対する脅威、大気・水質汚染、災害への脆弱性など、持続可能な発展にさまざまな歪みをもたらします。適切な都市計画なしには、都市はさらに機能不全に陥り、雇用、教育、文化・保健サービスへのアクセスだけでなく、安全でクリーンな環境すら確保できなくなります。

本書では、このような都市化に伴う課題解決への効果的な都市整備手法として、「土地区画整理」を取り上げています。土地区画整理は日本では「都市計画の母」と呼ばれるほど浸透しており、また、途上国を含め各国においてさまざまな形で活用されている一方、世界的に見るとまだあまり理解が得られているとはいえない状況です。日本の土地区画整理の経験が各国でどのように生かされているか、数々のケーススタディーに基づいて紹介しています。

本書は、強制的な土地収用による都市整備と比較して、土地区画整理手法のメリットとしてコミュニティーの人々のつながりが失われないこと、また、私的所有物であった土地の一部が道路や公園、学校など公共性の高い土地や事業費の一部に使用されることで、都市整備の受益と負担が公平に配分されるメカニズムを備えていることを挙げています。

編者の一人であるJICA研究所の細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザーは、「土地区画整理は、包摂的、公正、安全、強靭かつ持続可能な都市開発を目指す上で有効な手法の一つ。『持続可能な開発目標(SDGs)』のゴール11『都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする』とも合致しているため、途上国での都市開発支援においても有効な手法になりうる」と述べています。

編者
フェリペ・フランシスコ・デ・ソウザ、 越智 武雄、 細野 昭雄
発行年月
2018年3月
言語
英語
ページ
255ページ
開発課題
  • #都市開発・地域開発
ISBN
978-4-86357-078-8