JICA緒方研究所

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No.1 COVID-19に対するベトナム政府の初期政策対応分析~2020年6月までの3つの波への対応~

ベトナムは、国際比較上、厳格な新型コロナ対策を選択し、それに対し国民の理解を得ながら成果を出した国と位置づけられる。日常的にベトナム政府関係者と関わる中で、特に、省庁横断的な取り組みを要する場合には合理的な解決策であったとしても障壁の大きさを痛感することが多いが、なぜ今回の対応では迅速かつ全政府機関を通じた徹底した対策を講じることができたのか、という観点から、2020年6月までの初期の政策対応の経過を辿り、意思決定の仕組み、対策に国民の協力を得るためのコミュニケーション手法やナラティブについてとりまとめた。さらに、これらを総じて、今回、ベトナム政府が迅速かつ的確な政策を断行できた背景について、SARS等の対応経験による豊富な経験値と感染症対策を安全保障の一環ととらえるレディネスがあったこと、ベトナム国民の健康や生命に対するセンシティビティが高く、効果的なリスクコミュニ—ションを通じて国民が団結して対応する有事、との認識を醸成できたこと、5年に一度の党大会と人事を控え政策実行のインセンティブが高まったこと等、要因と考えられるものを指摘した。

キーワード:感染症危機管理、初動、政府の意思決定、多省庁連携、リスクコミュニケーション、情報公開

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