No.18 日本のインフラ開発経験の途上国への適用可能性に関する予備的考察: 国・地域レベルの生産・厚生効果に係る実証分析のレビュー

  • #開発協力文献レビュー

本稿では、戦後日本のインフラがもたらした国・地域レベルの生産効果(企業の生産の増加)・厚生効果(人々の効用の増加)に関する実証分析の先行文献レビューを行い、途上国のインフラ開発に向けた示唆の抽出を試みた。

レビューの結果、日本のインフラを全体として見た場合、生産・厚生いずれも正の効果が確認された。生産効果の度合いは時期・地域・インフラの分野により異なり、それぞれ戦後の高度成長期、大都市圏地域、交通・通信などの生産基盤インフラにおいて、より高い生産効果が示された。厚生効果については、文教・衛生などの生活基盤インフラにおいてより高い効果が示された。

途上国のインフラ開発においても、開発・財政政策上で投資規模や地域・分野間配分を検討する際、発展段階や地域、インフラの分野に応じた生産効果・厚生効果の違いに着目することが望ましい。

著者
石塚 史暁
発行年月
2023年5月
言語
日本語
ページ
17ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #経済政策
研究領域
経済成長と貧困削減