実施中プロジェクト

日本のインフラ開発経験の途上国への適用可能性に関する研究

本研究では、日本のインフラ開発が日本の国・地域レベルの経済社会にもたらした効果について計量経済学の手法を用いた分析を行うとともに、関連する開発・財政政策の概要や効果についてのレビューを行い、途上国の持続的なインフラ開発に向けた示唆を抽出することを目的としています。

背景として、今日の途上国は、新型コロナウィルス感染症への対応等に伴う財政出動や、国によっては債務危機の影響を受け、インフラ投資を行う財政上の余地が狭まりつつあります。限られた公共資金を効率的に配分するため、当該国の発展段階や地域・分野に応じたインフラの効果の違いに着目することが求められます。今日の途上国の発展経路は多様化していますが、上記の日本の経験は、途上国の中央・地方政府がインフラ開発を進める上で一定の参考になるものと考えられます。

インフラの効果に関する分析では、インフラの分野(例:運輸・通信等の生産基盤、教育・衛生等の社会基盤)、地域(大都市圏/非大都市圏)、事業主体(国/自治体)等の違いに応じた効果を定量的に推定します。生産効果(GDPへの影響)の分析では、過去の実証分析を対象としたメタ分析を行います。厚生効果の分析では、日本政府のインフラストック統計を利用するとともに、人間開発指標(Human Development Index)の都道府県別パネルデータを新たに構築し、生産効果では表しきれない生活水準に対する影響を推定します。

研究領域
経済成長と貧困削減
研究期間
2023年09月08日 から 2025年03月31日
主査
原田 徹也
JICA緒方研究所所属の研究者
石塚 史暁
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #経済政策