No.21 Synthesizing the Empirical Evidence on the Productivity of Public Capital in Japan: A Meta-Analysis

  • #ディスカッション・ペーパー

公共資本/インフラの生産弾力性を測定する試みは過去数十年にわたり数多くなされてきたが、その結果は多様である。本稿では、過去のメタ分析で見過ごされてきた日本における実証分析の蓄積に焦点を当て、44の先行研究による1,038の推定値のメタ分析を通じ、日本における公共資本の生産への影響を定量化した。その結果、出版バイアスの有意な証拠は確認されなかった。日本におけるインフラの生産弾力性は0.146と正であり、この値は事業主体、時期、地域、分野などの対象インフラの異質性に強く影響されている。地方自治体が単独で行うプロジェクトや大都市圏以外のプロジェクトは相対的に弾力性が高いが、その値は時間の経過とともに低下する。住宅、衛生、教育などの社会インフラは、他分野と比べ相対的に弾力性が低い。これらの結果は、公共資本の生産性に関する議論に新たな示唆を与えるとともに、日本におけるインフラの生産弾力性の最初のメタ分析としてベンチマークを提供するものである。

キーワード: 公共資本、インフラ、日本、生産性、生産弾力性、メタ分析、出版バイアス

著者
石塚 史暁
発行年月
2024年3月
言語
英語
ページ
29
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #経済政策
研究領域
経済成長と貧困削減