Contextualizing the Sustaining Peace Approach in Contemporary Armed Conflicts: From High-Level International Mediation to Pragmatic Peacebuilding Initiatives in Syria

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本論文は、暴力的な武力紛争の変わりやすい性質を踏まえた、実際的で状況に適応する平和構築の重要性を考察しています。本論文はまた、紛争地での平和は、国際機関や二国間機関、NGOなどのさまざまなアクターによる支援を受けながらも、根源的には紛争地の内部からもたらされるべき、という認識に立っています。停戦の方向性や優勢となる勢力を予見できなかった2011~2015年のシリア内戦における和平への国際協力の考察を通して、ハイレベルで国際的な調停が複雑かつ効果的ではなかったことから、本論文では、実際的な平和構築のイニシアティブが、シリアの持続的な平和へのもう一つの道筋になり得ると議論しています。

この論文を執筆したJICA緒方貞子平和開発研究所の武藤亜子主任研究員とルイ・サライヴァ研究員は、平和構築における最近の議論と武力紛争の傾向から、平和構築に携わるアクターも、調整力、実際性、複雑な状況への適応能力、そして紛争当事国や地域のアクターの包摂性の必要性を重視するようになったと強調します。そして、このような困難な状況だからこそ、平和の持続と平和構築には、より柔軟で、政治的に実行可能な短期的・中期的施策が求められると論じています。

同論文は、広島市立大学の古澤嘉朗准教授が編者を務めた人間の安全保障学会のジャーナル「Journal of Human Security Studies. Special Issue, 2020-1」に掲載されました。

著者
武藤 亜子ルイ サライヴァ
発行年月
2020年1月
言語
英語
ページ
18ページ
関連地域
  • #中東
開発課題
  • #平和構築
研究領域
平和構築と人道支援
研究プロジェクト