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The Potential Impact of the COVID-19 Pandemic on the Welfare of Remittance-Dependent Households in the Philippines

JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の清水谷諭上席研究員、村上エネレルテ研究員、山田英嗣研究員が執筆した本論文では、コロナ禍によって予想される世界的なマクロ経済の落ち込みが海外送金に依存する家計に与える影響を考察するため、既存の家計データを活用した分析と予測を行いました。

まず、JICA緒方研究所の研究プロジェクト「フィリピンとタジキスタンの家計における海外送金に関する実証研究」の一環で2016年から2018年にかけフィリピンの地方部2市で収集した家計調査のデータを活用し、送金額の出稼ぎ先のマクロ経済状況(一人当たりGDP)に対する感応度、並びに消費など家計の厚生水準の送金受取額に対する感応度を推定しました。こうして推定されたGDP・海外送金・家計の厚生水準の関係式を用い、COVID-19によるパンデミックが発生しない場合と発生する場合において、海外送金や厚生水準がどのように変化するかを予測しました。

その結果、コロナ禍により、2020年の平均送金受取額はパンデミックが起こらなかった場合に比して23~32%減少し、家計の消費は2.2~3.3%減少する可能性があることが示されました。世界銀行は、マクロ統計に基づき2020年の開発途上国への送金額が19.7%減少すると予測しており、本論文はマイクロデータによっても同程度のショックが起こりえることを示唆するものとなりました。

同論文は、Centre for Economic Policy Researchが発行する新型コロナウイルス(COVID-19)に特化した経済学論文集『COVID Economics: Vetted and Real-Time Papers』第24号(6月1日発刊)に掲載されました。

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