The COVID-19 Pandemic, Remittances and Financial Inclusion in the Philippines

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最近の文献によると、開発途上国では金融包摂(financial inclusion)が経済的機会と経済の安定を強化することが明らかになりました。さらに、海外送金の流入が増えれば包摂性を向上させることができます。

本論文では、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の世界的流行が金融包摂に与える可能性のある影響について、特に開発途上国への送金流入に対する悪影響に注目して検証しています。フィリピンで出稼ぎ移民などによる海外からの送金に依存している地域において、コロナ禍前に収集した家計レベルのデータを用いて分析した結果、海外送金と金融包摂にはつながりがあり、特に女性にとって顕著であることが確認できました。

次に、海外送金流入の変化から、コロナ禍の金融包摂に対する潜在的な影響を評価するため、国際通貨基金(IMF)と世界銀行がコロナ禍発生前と発生後に発表した2020年のGDP予測を活用して分析しました。それを踏まえると、コロナ禍に起因する海外送金額の著しい減少は、フィリピンの金融包摂に悪影響を及ぼす可能性があり、それは特に女性にとって深刻になる可能性があると予測しています。

キーワード: financial inclusion, SDGs, COVID-19, remittance, migration, Philippines

著者
山田 英嗣、 清水谷 諭、 村上 エネレルテ
発行年月
2020年8月
言語
英語
ページ
25ページ
関連地域
  • #アジア
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト