Remittances, Household Welfare and the COVID-19 Pandemic in Tajikistan

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今や出稼ぎ移民などからの海外送金の流入は、開発途上国にとって最大の海外からの資金供給源となっていますが、家計の厚生水準に対する海外送金の効果を明確に示すことができた研究は、まだ多くありません。本論文では、海外送金に最も依存している国の一つであるタジキスタンの事例を検証しました。

同国全土で収集されたパネルデータを用い、操作変数(IV)法を採用したところ、海外送金の受領と家計の厚生水準には、内生性の補正後に正の相関が確認できました。さらに、世帯主が男性であるか、年長者であるか、または教育水準が低い場合、家計支出に海外送金が与える影響が強まることも分かりました。

そして、推定された係数を、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の世界的流行により減少すると予測される海外送金流入額と組み合わせた結果、1人当たりの家計支出に対するコロナ禍の悪影響を示すことができました。

キーワード: COVID-19, remittance, migration, Tajikistan, household welfare

著者
山田 英嗣、 清水谷 諭、 村上 エネレルテ
発行年月
2020年9月
言語
英語
ページ
28ページ
関連地域
  • #アジア
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト