Climate and Disaster Resilience: Injustice Through Failures in Adapting

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本ペーパーは、JICAが実施した東南アジア諸国におけるDRR(Disaster Risk Reduction)および気候変動適応プロジェクトの経験に基づき、事前にリスクの削減を行うことの重要性と実施に伴う主要な課題をまとめています。

適応の目的は、気候変動下でのハザードの激化を考慮して、脆弱性と暴露の側面からリスクの規模を削減することですが、不確実性、計画に係る準備期間やコスト、調整や意思決定、実行の難しさ(資本、技術、コミュニティーの再定住など)などが課題として挙げられます。フィリピンの事例では、タイムリーな財政的・技術的支援と合わせて、政権のリーダシップと迅速な意思決定が重要であることが認識されました。また、タイの事例では、調整が課題となっています。これらの事例からも、リスク削減を現実にするには高いキャパシティーがある東南アジアの大都市であっても困難なことを示しており、慢性的な脆弱性が残り、適応の失敗を通じた不平等につながる可能性も示唆されています。

JICA緒方貞子平和開発研究所では、気候変動への適応に関する研究を進めており、本ペーパーは、JICAプロジェクトにおける具体的な対応事例をまとめたものであり、JICA事業との連携への重要な示唆を含んだものです。

なお、本ペーパーは、2019年10月に開催されたEmerging Market Forumでの発表にかかるバックグラウンドペーパーです。

著者
武藤 めぐみ
発行年月
2019年10月
言語
英語
ページ
14ページ
開発課題
  • #防災
研究領域
地球環境
研究プロジェクト