Human Security Norms in East Asia: Towards Conceptual and Operational Innovation

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人間の安全保障の中核は、全ての人が安全に暮らし、尊厳を持って生きるための方策を考えていくことにあります。「人間開発報告書1994」で提唱されて以降、人間の安全保障は既存の規範や新しい要素を取り入れながら、「複合規範(norm-complex)」として国際社会で議論されてきました。

本論文では、規範を提唱し、普及し、再構築されるプロセスを検証する規範動学(norm-dynamics)と言われる理論に基づき、人間の安全保障の概念がどのように日本を含む東アジアの国々に伝播し、受け入れられてきたのかを議論しています。この分析は、JICA緒方貞子平和開発研究所の研究プロジェクト「東アジアにおける人間の安全保障の実践」で実施された11の国々のケーススタディーに基づいています。

本論文は、第一に、人間の安全保障の概念は、その用語自体はあまり使用されていないものの、東アジアの国々で広く受容され、それぞれの国の状況に応じて適用されてきたことを説明しています。第二に、対象となった11ヵ国では、気候変動、地震、HIV/エイズ、貧困、人身売買、紛争など、多岐にわたる人間の安全保障の脅威が認識されていることを議論しています。第三に、人間の安全保障が国家の安全保障と国家主権との関係において、どのように理解されているのかを分析しています。

本論文はCentre for Strategic Research and Analysis(CESRAN)のウェブサイトで発表され、以下のリンクからご覧になれます。

著者
武藤 亜子
発行年月
2020年4月
言語
英語
ページ
24ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #平和構築
研究領域
平和構築と人道支援
研究プロジェクト