JICA緒方研究所

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ポリシー・ノート

No.4 母子保健研究「継続ケアを効果的に母子に届けるために」

母子の死亡事例のほとんどは出産時および生後数日以内に発生しており、その多くは家庭内で起きている。継続ケア(Continuum of Care: CoC)の概念は、戦略の土台となる中核的な原則・枠組みであり、必要な時に必要な場所で母子に医療サービスを提供することを目的とする。しかし、母子の受診が遅れたり、受診しないというケースが頻繁に起こっており、継続ケア実施の実現には至っていない。

ガーナでの効果的な継続ケアの実施に向け、実用的な解決策を検証するため、JICAは2012~2016年に実施研究(研究成果を公共政策を含めた実践に体系的に適用するための障壁や方法を科学的に研究するもの)を実施した。このポリシー・ノートでは、これまでの調査結果に基づき、以下の政策提言を行っている。

①地域の事情に基づき、継続ケアの各段階で保健医療サービスへのアクセスを阻害/促進する要因を考慮した介入パッケージを構築する。
②サービスの提供能力や質を高めるために基礎医療施設のインフラを改善することや、コミュニティーの医療従事者の能力を強化して家庭と医療施設を結びつける。
③家庭でのケアを強化し、医療施設でのケアへのアクセスに遅れが生じないようにするためには、適切な衛生教育や受益者のエンパワメントが不可欠だと主張する。
④新技術や社会的なイノベーションを活用する。例えば、1) 継続ケアカードを取り入れて母親と乳児両方の受診スケジュールや受診状況を一目で分かるようにし、母親が予定通り受診するように促す。この新たな仕組みを母子健康手帳にも反映する。2) 携帯電話の無料メッセージアプリを効果的に活用し、タイムリーな受診や調整を可能にする。3) 継続ケア達成率という指標を用い、医療従事者に継続ケアプロセスの中断を防ぐ意識付けをする。
⑤インパクト評価や実施研究を行い、エビデンスの活用を促進する。

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