『南米チリをサケ輸出大国に変えた日本人たち ~ゼロから産業を創出した国際協力の記録~』

  • #プロジェクト・ヒストリー

『南米チリをサケ輸出大国に変えた日本人たち ~ゼロから産業を創出した国際協力の記録~』

本書は、1970年代に開始されたJICAの技術協力プロジェクト「日本/チリ・サケプロジェクト(チリ水産養殖プロジェクト)のインパクトについて検証しており、サケの生息地ですらなかった南米チリが、やがてノルウェーと世界1、2位を争うサケの輸出大国になるまでに成長を遂げる"サケ産業の奇跡"を描いたものです。
長期にわたって実施された同プロジェクトが始まるきっかけは、1969年、水産庁の北海道さけます孵化場に研修員としてやって来たパブロ・アギレラという一人のチリ人と、日本の水産技術者、長澤有晃氏との出会いでした。この出会いは、その後の2人の人生を大きく変えるとともに、南米チリに新しい産業を芽吹かせる原動力となりました。この出会いに端を発した同プロジェクトは、関係者の情熱と努力によって多くの優秀なチリ人技術者を育て、やがて大きな成果を生むことになります。
同プロジェクトは、1973年、チリでクーデターが発生したことにより一時中断を余儀なくされるなど、紆余曲折を経ながら20年余りにわたって継続されました。この間、チリではサケの養殖産業が発展するのに伴い、関連資材やサービスを提供する企業などが次々に設立されました。そして、このことが多くの雇用機会を生み出し、貧困層の所得を向上させました。同プロジェクトは、新たな産業を確立・発展させることで一国の社会経済問題の改善に寄与した事例として、国際的にも高く評価されています。

本書は、JICA研究所の「プロジェクト・ヒストリー」シリーズ第1弾として発刊されました。
ダイヤモンド社のウェブサイトほか、書店、主要オンラインブックストアにてご購入いただけます。

著者
細野 昭雄
発行年月
2010年7月
出版社
ダイヤモンド社
言語
日本語
ページ
192ページ
関連地域
  • #中南米
開発課題
  • #経済政策
  • #農業開発・農村開発
研究領域
経済成長と貧困削減
ISBN
9784478059944