JICA緒方研究所

出版物

プロジェクト・ヒストリー

『中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を 教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡』

『中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を 教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡』

JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第16弾として、『中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を~教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡~』を刊行しました。

他の開発途上国と同様に、中米でも子どもたちの算数・数学の学力の低さが課題となっていました。その背景には、算数・数学の教科書のそれぞれの単元に関連性がなかったり、授業が公式を覚えて教師の板書を写すだけだったりと、“考える力”を養う教育が整っていないことがありました。本書では、日本が1987年から中米地域で行ってきた算数・数学の教科書制作を中心とした教育協力の歴史をひもときます。

子どもたちの学力向上のために何ができるか—。著者の西方憲広氏は、1987年にホンジュラスに青年海外協力隊として派遣され、教員の教える力を強化しようと研修を実施。多くの後任の隊員たちがその活動を受け継ぎ、1990年代には全国的な活動へと発展しました。青年海外協力隊の取り組みをふまえ、2003年からはホンジュラスで技術協力の事業として「算数科指導力向上プロジェクト」がスタート。JICAが派遣した専門家が現地の教員や教育省の職員と共に小学校の算数の教科書を開発し、国定教科書として全国に配布されました。

2006年からは国境を越え、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグアなど中米5ヵ国での広域“算数大好き”プロジェクトが誕生し、小学校の算数教科書などを開発。さらに2015年11月からは第2回広域プロジェクトとして、中等算数教育を中心に取り組んでいます。地域が一つとなることで、各国の学びあいの場となり、教材制作、そして教育人材育成へとつながっています。

中米地域での継続的、広域的な支援があったからこそ、「算数・数学教育といえばJICA」と言われるまでになった日本の教育協力。この分野の第一人者である著者が30年の軌跡を振り返ります。

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