JICA緒方研究所

出版物

プロジェクト・ヒストリー

『屋根もない、家もない、でも、希望を胸に フィリピン巨大台風ヨランダからの復興』

『屋根もない、家もない、でも、希望を胸に フィリピン巨大台風ヨランダからの復興』

JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第19弾として、『屋根もない、家もない、でも、希望を胸に フィリピン巨大台風ヨランダからの復興』を刊行しました。

2013年11月、100年に一度と言われる超大型台風がフィリピン中部のサマール島やレイテ島をはじめとする東ビサヤ地方を襲いました。記録的な規模の高潮と強風により、死者・行方不明者は約8000人、被災者数は1600万人以上。レイテ湾の奥に位置するタクロバンの市街地は壊滅状態となり、東ビサヤ地域の主要産業だったココナツの木の約65%が倒壊するなど、人命、建築物、ライフライン、産業に至るまで、甚大な被害をもたらしました。

本書では、この台風ヨランダにより被災した地域への緊急支援と、それに引き続いて実施された復旧・復興を後押しする技術協力プロジェクトを中心に、日本の取り組みを紹介しています。この「台風ヨランダ災害緊急復旧・復興支援プロジェクト」は広域で展開され、対象地域はサマール島やレイテ島沿岸の20市町に及びました。取り組みの特徴として、①日本の災害復興の経験を踏まえたハザードマップの制作や自治体の土地利用計画の策定支援、②病院や庁舎などの建設を含む、質の高い無償資金協力の計画づくり、③早期の災害に強い公共施設再建と技術訓練、被災者の生計回復(クイック・インパクト・プロジェクト)の計画・実施、④東日本大震災からの復興に取り組む東松島市との連携が挙げられます。

ただ単に災害前と同じ状態に戻すのではなく、災害に強いより良い復興を目指す「Build Back Better」という考え方に基づき、フィリピンの人々との関係を第一に奮闘した日々。その考え方はフィリピン側にも徐々に浸透し、中長期的な支援ニーズを見据えたJICAの取り組みは復興の一助となりました。災害は、より良い社会を建設するチャンス—。そう信じて、緊急支援からシームレスな(継ぎ目のない)復旧・復興支援まで、数多くの関係者が携わった激動の約5年がつづられています。

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