JICA研究所

出版物

プロジェクト・ヒストリー

『地方からの国づくり 自治体間協力にかけた日本とタイの15年間の挑戦』

『地方からの国づくり 自治体間協力にかけた日本とタイの15年間の挑戦』

JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析して書籍としてまとめた「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第15弾として、『地方からの国づくり 自治体間協力にかけた日本とタイの15年間の挑戦』を刊行しました。

本書は、JICAが協力を行った「タイの自治体能力向上プロジェクト」による約15年の取り組みの軌跡をまとめたものです。このプロジェクトでは、両国の学識者による共同研究として協力が始まり、相互に意見交換を重ねて「自治体間協力」を柱とした協力に発展し、同国における自治体間協力のモデルと制度づくりが行われました。その結果、プロジェクト開始前にはタイではほとんど見られなかった「自治体間連携事業」が、全国約30%の県で、県以下のレベルでは半数以上の自治体で行われるようになりました。本書は、日タイ双方の関係者が互いに議論し、試行錯誤しながら、地方行政の改善に取り組んだ軌跡を詳細に描いています。

行政制度をテーマとした協力は、国や自治体の「統治」に直結する問題であるということから、機微な側面を持ちます。すなわち、日本が持つノウハウや技術を単純にタイ側に伝達するということではなく、タイ側の人々が法律や制度も含めて、自分たちの問題として認識し、取り組む必要があります。また、行政制度とは、「水道」や「学校」のように、成果が具体的に目にみえるものではありません。このため、目指すべき地方行政の姿はどのようなものか、メリットは何であるか、このことを関係者が早期に、具体的に、共通して理解することが重要でした。本書では、こういった課題に関係者が取り組んでいった過程を描くことで、行政制度改善を目指す支援を行う上でのヒントが多く示されています。

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