『アフリカ紛争国スーダンの復興にかける—復興支援1500日の記録』

  • #プロジェクト・ヒストリー

『アフリカ紛争国スーダンの復興にかける—復興支援1500日の記録』

本書は、長年にわたる内戦で国土が荒廃したアフリカ・スーダンで、2005年の南北包括和平協定などを契機として進められた地域紛争終結への動きと、それに合わせて動き出した国際社会による復興・平和構築支援の取り組みを、2007年よりスーダンに赴任した宍戸健一首席駐在員(現JICA地球環境部次長)が、約1500日におよぶ駐在員時代から継続して記録してきた活動日記を基に、彼の目を通して描いています。和平合意後、JICAは南北スーダンにおいて数々の支援事業を立ち上げましたが、本書では、復興・平和構築支援に向けた、その初期の取り組み全体を1つのプロジェクトと捉えて紹介しています。

2011年の南部スーダンの分離独立に向けて、欧米諸国の目が南スーダンに注がれるなか、JICAは、南部スーダンだけでなく、北部スーダン、東スーダン、ダルフール地方、そして南部と北部の境界に位置する暫定統治3地域の支援にも取り組んできました。本書は、スーダンの状況やその歴史、国際社会の支援を紹介しながら、その中でJICAが何を意図して活動し、どのようにこの国を支援してきたかについて語っています。JICAスーダン事務所が、スーダン政府および南部の暫定自治政府と対話を続けながら、支援事業の早期立ち上げを働きかけ、多くのスーダン人が平和のよさを実感できるよう活動を進めてきた記録でもあります。

JICA研究所が進めてきた「プロジェクト・ヒストリー」研究では、半世紀以上にわたってJICAが世界各地で実施してきた国際協力事業を、個別プロジェクトの結果に限定せず、より長い時間軸と広い視野で捉えようという取り組みを行ってきており、今後も多くの事業を分析対象として取り上げ、研究者、開発関係者だけでなく、幅広い読者に訴えていきたいと考えています。

著者
宍戸 健一
発行年月
2013年10月
出版社
佐伯印刷
言語
日本語
ページ
222ページ
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #平和構築
研究領域
平和構築と人道支援
ISBN
978-4-905428-41-1