『ぼくらの村からポリオが消えた—中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力—』

  • #プロジェクト・ヒストリー

『ぼくらの村からポリオが消えた—中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力—』

JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析して書籍としてまとめた「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第9弾として、『ぼくらの村からポリオが消えた —中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力—』が刊行されます。本書は、中国におけるポリオ撲滅を目指し、JICA専門家やプロジェクトに携わった関係者などによる、現地でのポリオとの闘いの様子や撲滅までの軌跡をまとめたものです。

「小児マヒ」の通称で知られるポリオという病気は、かつて日本でも大きな脅威でしたが、1960年代中葉以降流行が収まり、1980年を最後に自然感染によるポリオの報告はありません。しかし世界ではその後も猛威をふるい続け、とくにアジア、その中でも世界最大の人口と広大な貧しい農村地域を抱えた中国においてその脅威は著しく、中国政府は、1990年代の初めからその撲滅のための対策に本格的に動き出しました。その取り組みは、世界保健機構(WHO)、ユニセフなどの国際機関やロータリー財団など、国際的な支援を幅広く受けましたが、その中でも特に重要な役割を果たしたのは実は日本からの協力でした。日本と中国の専門家の協力と国際社会からの支援によって取り組みは着実に成果を上げ、2000年にはWHOがついに西太平洋地区(中国を含む)におけるポリオ撲滅を宣言するに至りました。この一連の流れの中で、国際協力がどのように貢献したのか、詳細な支援プロセスや効果の背景などもこの本から読み取ることができます。

本書は、プロローグ、5つの章、エピローグで構成されています。当時の状況にそってプロジェクトの流れが理解しやすいよう、JICA技術協力プロジェクトが始まる前の中国山東省の現状から、中国北方5省での本格的な支援、北方での成果を基に南方5省での展開、国境を越えて侵入するポリオの防止、そしてポリオ撲滅の要因といった章立てでストーリーが展開されます。

発行所への申し込みのほか、書店、主要オンラインブックストアにてご購入いただけます。

著者
岡田 実
発行年月
2014年2月
出版社
佐伯印刷
言語
日本語
ページ
192ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #保健医療
研究領域
経済成長と貧困削減
ISBN
9784905428459