『中米の知られざる風土病「シャーガス病」克服への道』

  • #プロジェクト・ヒストリー

『中米の知られざる風土病「シャーガス病」克服への道』

「シャーガス病」とは、中南米特有の寄生虫症で、サシガメという吸血性カメムシ(昆虫)を媒介虫として人間が感染する病気です。中南米諸国では患者数が800万人とも900万人とも言われ、多くの住民を苦しめてきた風土病ですが、日本ではほとんど知られていません。

本書は、中米地域で1990年代末から今日まで実施されている風土病「シャーガス病」との闘いの歴史を、その前身で1975年からグアテマラで開始されたオンコセルカ感染症研究対策協力にまでさかのぼり、30年以上の長期にわたってたどったものです。サシガメの生態の研究と分布状況の解明にはじまり、家屋に棲みついているサシガメを駆除し、ついでその再発生を抑え込むための監視体制を中米各国に築くまでの技術協力の足跡を、グアテマラ、ホンジュラスでの経験を中心に描きました。

JICAのシャーガス病対策協力の特徴として、広く複数の国にまたがる協力であること、そして、多くの青年海外協力隊員が参加したことが挙げられます。日本から派遣された協力隊員は、地域保健事務所スタッフと集落を巡回し、消毒とともに行われる住民向け啓発活動やデータ処理などに強みを発揮しました。

著者の橋本氏自身も、2000年に青年海外協力隊員としてグアテマラに赴任し、以後JICA専門家として中米のシャーガス病対策に取り組んできました。

本書は、JICA研究所の「プロジェクト・ヒストリー」シリーズ第6弾として発刊されました。
ダイヤモンド社のウェブサイトほか、書店、主要オンラインブックストアにてご購入いただけます。

著者
橋本 謙
発行年月
2013年2月
出版社
ダイヤモンド社
ページ
205ページ
関連地域
  • #中南米
開発課題
  • #保健医療
  • #市民参加
研究領域
経済成長と貧困削減
ISBN
978-4-478-04383-7