JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.16 Motives behind Community Participation —Evidence from Natural and Field Experiments in a Developing Country—

途上国農村の開発案件を効率的に運営する上で、住民の積極的な参加が重要であるということが多くの既存研究で指摘されてきた。しかし、住民参加がどのようなインセンティブに基づいて行われるかを厳密に分析した研究は少ない。本稿はこうした既存研究の穴を埋めるべく、スリランカ南部における自然実験的環境に着目し、フィールド実験によって独自に収集したデータを用いて、(1)公共財投資、(2)社会関係資本の蓄積、(3)生産活動ネットワークの形成、(4)相互扶助ネットワークの形成、(5)利他的選好の五つの参加動機を厳密に比較した。分析結果によれば、社会関係資本の蓄積及び相互扶助ネットワーク形成が主な参加動機である。さらに、リスクに対して脆弱な家計は相互扶助ネットワークを形成できないことも示されており、このことがさらに家計を脆弱にする可能性がある。つまり、社会関係資本への投資欠如を通じた貧困の罠の可能性が示唆されている。

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