No.50 Is GBS Still a Preferable Aid Modality?

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途上国における一般財政支援の効果を評価するために、109か国を対象に1997年から2006 年までの10年分の政府歳入、支出、社会指標等のパネルデータを用いて分析を行った。本論文では、使途を限定しない税収と同じく使途を限定せず途上国の予算化がなされる一般財政支援との間で、途上国の予算編成行動に差異があるのか、また、一般財政支援の導入が成果にどのようなインパクトを与えているかを検証するものであり、MDGsで重要視されている社会分野のうち保健セクターに焦点を絞った研究を行った。その結果、税収による保健分野での予算配分よりも、一般財政支援による予算配分の方が統計的に有意に大きいという結果を得たが、保健指標に対する政府の保健支出の効果については、一般財政支援の導入により必ずしも改善されるわけではないとの結果となった。本論文からは、一般財政支援のみでは開発効果達成には限度があることから、人的・制度的能力開発に焦点を当てたプロジェクト/プログラムとの補完性をさらに慎重に考慮することが必要であるとの結論に至った。

著者
古川 光明、 高畑 純一郎
発行年月
2013年1月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #経済政策
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト