JICA緒方研究所

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No.19 Will China's Recovery Affect Africa's Prospects for Economic Growth?

本稿では、中国の経済回復がアフリカのいくつかの国々(ボツワナ・ケニア・ガーナ・ナイジェリア・南アフリカ)の経済成長に影響を及ぼす可能性を、アフリカと中国それぞれの年単位のGDPの動きの関連性に着目することによって検証する。総生産量を景気循環の代替指標として用いた閾値自己回帰分析を行った結果、上述のアフリカの国々のうち3 カ国の総生産量については、中国の総生産量と非線形の関連性を示すことが明らかになった。意外なことに、アフリカ経済の生産量は、景気上昇に対するときよりも、景気後退に対する際の方がはるかに大きな調整が働く。特にナイジェリアにおいては、中国のGDP との長期的な関連性に着目すると、景気がより低いレベルにある際の生産量の調整の方が、比較的迅速に行われる。対照的にケニアでの調整の速度は上昇局面の方が下降局面よりも早い。このことは、その他の分析結果をあわせて考えると、アフリカ経済は中国が牽引する世界的な経済回復の恩恵を受けるが、その度合いは、それぞれの国の輸出品が、中国の生産チェーンに向けられているか(すなわち原料品)、需要チェーンに向けられているかによって異なることを示している。長期的には、アフリカの生産が貿易を通じて中国や他の経済大国の生産とシンクロすることで得られる利益は、それらアフリカの国々が、発展を支援するような効率的なインフラ開発に対してどれだけ準備ができているかということに強く依存する。

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