JICA緒方研究所

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No.113 Measuring the Quality of Education Policies and Their Implementation for Better Learning: Adapting World Bank's SABER Tools on School Autonomy and Accountability to Senegal

本論文では、セネガルの学校運営制度に係る政策の質と実施度について検証するために、より良い学習成果の達成に向けた学校運営委員会の機能、及び分権化や学習評価政策とのシナジー効果に着目して分析している。世界銀行がJICAを含むパートナーと開発した教育制度の比較分析のためのツールをセネガルのコンテキストに適用した。このツールは、SABER(サベール)と呼ばれるプログラムの下、学校の自治とアカウンタビリティに関する国際的なグットプラクティスや先行研究に基づき開発された。

分析の結果、セネガルでは、CGEと呼ばれるコミュニティ参加型学校運営委員会の役割に係る法令やガイドラインが整備されたことにより、政策の質は向上していることが示された。分権化政策も地方自治体への権限移譲という点では概ね高く、また、学習評価政策もテストの頻度では高く評価された。他方で、これらの政策は、本来の意図通りに実践されているとは限らず、関係者間での実施度や内容に差があることが村落部の学校や地方自体等から収集したデータによって明らかにされた。

学校運営委員会(CGE)については、CGEの総会などのガイドラインが意図する手順の実践度がより高い場合には、学校活動へのCGEの貢献金額も高い傾向がある。さらに、こうしたCGEの機能度が高い学校では、卒業試験の合格率といった学習成果の質も比較的高い傾向にある。また、学校への地方自治体の役割に係る関係者間の共通認識が高いこと、学習評価の他校との比較結果を学校が活用していることも、学習成果の高さと正の関係を示した。これらの分析結果は、参加型学校運営委員会に係る政策の実施を、学習評価結果の活用や分権化と共に強化することは、より良い学習成果を達成するために重要であることを示唆している。

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