JICA研究所

出版物

ワーキングペーパー

No.165 Inverse J-Shaped Relationship between Fertility and Gender Equality: Different Relationships of the Two Variables According to Income Levels

先進国から始まった出生率の低下は、20世紀後半には殆どの途上国に広がった。一方、先進国においては、近年、出生率の下げ止まりや緩やかな回復が見られる。

出生率とジェンダー平等については既に多くの研究が行われている。しかし、ジェンダー平等には多様な側面があり、また、出生率とジェンダー平等の関係は国の発展段階によって異なる可能性がある。このため本研究では、出生率と世界経済フォーラムが毎年発表しているGGGI(グローバルジェンダーギャップ指数)を含むパネルデータを用い、途上国と先進国に共通の枠組みで出生率とジェンダー平等の関係を国の所得段階毎に実証分析した。

主な結果は以下である。第1に、出生率とGGGIでみたジェンダー平等全体の進展との間には逆J字型の関係が観察される。即ち、ジェンダー平等と出生率の関係は、その進展の初期において負であるが、一定水準以上になると正に転じる。第2に、2015年の出生率が5を上回っている低所得でかつ出生率の低下が緩やかな国では、ジェンダー平等全体や経済分野におけるジェンダー平等の進展と出生率の間に明確な関係がみられない一方、女性の平均寿命は出生率と正の関係がある。第3に、教育分野については、識字率に関するジェンダー平等の進展が所得水準とかかわりなく出生率と負の関係にあり、また、中所得国では初等・中等・高等教育の各段階で就学率のジェンダー平等の進展と出生率に負の関係がみられる。


キーワード:出生率、ジェンダー平等、グローバルジェンダーギャップ指数、所得レベル

ページの先頭へ