JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.173 Impacts of Kaizen Management on Workers: Evidence from Central America and the Caribbean Region

近年、開発途上国の産業発展へのアプローチとしてのカイゼンの役割に新たな関心が向けられている。これまでのいくつかの研究では、カイゼン導入が経営のあり方やビジネス・パフォーマンスに与える影響を評価されてきたが、労働条件、賃金、雇用などへのインパクトを評価する研究はほとんど行われていない。

本研究はJICAの「中小企業の品質・生産性向上に係るファシリテーター能力向上プロジェクト(中米・カリブ広域)」(2009年~2013年)にかかわった企業(94社)を対象に経営陣と従業員双方から聞き取り調査を行い、比較群の企業(182社)と比較を行いプロジェクトの効果を傾向スコアマッチング手法によって分析したものである。

分析の結果、カイゼンの導入が労働条件を改善し、労働者の間の信頼(社会関係資本)を強化することが確認された。また、カイゼンの研修の後、経営者の研修に対する支払い意思額(WTP)が高まったことも確認されたが、一方、経営者と労働者ではカイゼンの効果について異なった見方がされていることも分かった。これらの結果は、今後のカイゼン協力のあり方をさらに効果的にすることにつながると思われる。


キーワード:マネジメント研修、インパクト評価、支払い意思額、中小企業、中米・カリブ地域

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