JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.183 Determinants of the EIA Report Quality for Development Cooperation Projects: Effects of Alternatives and Public Involvement

環境影響評価報告書の質はよい意思決定を行うための基礎であるが、質の低さが途上国の問題点の一つと指摘されている。予算や人的資源および情報の不足という状況下で報告書の質を向上させることは大変困難に見える。

本研究の目的は、国際協力機構が支援している開発事業に関する環境影響評価報告書の質に対する決定要因を明らかにし、さらに途上国の現況下において良い質の報告書のためのベンチマーク(基準)を提案することである。本研究では、2001年から2016年に作成された160冊の報告書の質を評価し、統計検定、クラスタ分析、決定木分析を用いて報告書の質に対する決定要因を調査した。本研究では、代替案と住民参加が決定要因であり、そのリンケージ(連動)が報告書の質に影響を与えたことを明らかにした。良い報告書の質を確保するためのベンチマーク(基準)は、①ほぼ満足する程度の代替案、②スコーピング段階と報告書案段階での住民参加、の二つであるとの結論となった。代替案と住民参加のプロセスがどのように報告書の質に影響を与えるのか、比較研究と個別研究を通じた更なる研究が必要である。

キーワード:環境アセスメント報告書の質、代替案、住民参加、統計検定、クラスター分析、決定木分析

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