JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.186 Humanitarian Crises and the Rise of the Rest: The Future of Humanitarianism from the Perspective of Four Latin American Emerging Countries

本稿は、ブラジル・チリ・コロンビア・メキシコというラテン・アメリカの4か国の経験に依拠して、人道主義の将来についての批判的な視点を提供するものである。

ラテン・アメリカ諸国は、ハイチを除けば比較的裕福な国が多いため、人道危機とはほぼ無縁であると見られがちである。しかしながら、これらの諸国は今なお深刻な不平等、組織犯罪、あらゆる形の災害の影響を被っているし、コロンビアのように多くの国内避難民を抱えている国もある。このため、ラテン・アメリカ地域の新興国は人道危機のウォッチ・リストに残ったままとなっている。

本稿は、半構造化インタビューやデータ分析等に基づき、こうした経済発展と人道問題の残存という二重性を検討する。ラテン・アメリカ諸国は歴史的に人道危機が存在する国であると見られることに対して抵抗してきた。これら諸国の4つの行動原則は、「内政不干渉」「相互主義」「持続可能性」「水平性」である。特に、水平性の原則は、特定の人道危機対応を任務とする各国の省庁等のあいだの多様な南南協力を下支えしてきた。それは、「ドナー」と「被援助国」という(垂直な)関係とは異なるものであった。実際に、新興国は伝統的な人道援助の制度や理念にあからさまに挑戦するようになっているが、彼らの人道危機対応への貢献(支援)は、国内で進んでいる「人間」開発や安全保障アジェンダの変化の過程を反映したものとなっている。

キーワード:グローバルガバナンス、新興国、危機対応、南南協力、人道主義

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