No.196 Technology Adoption, Impact, and Extension in Developing Countries’ Agriculture: A Review of the Recent Literature

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低所得国、特にサハラ砂漠以南のアフリカ(SSA)では、農業の生産性の停滞や食糧の慢性的不足が続いており、こうした地域における新技術の採用やその生産性への効果について研究者から大きな関心が寄せられている。興味深いことに、最近になってSSAでも「緑の革命」の萌芽が、先進地域を中心にして見られるようになった。また最近の多くの研究では、穀物生産の収量を持続的に向上させるためには、土壌の肥沃土の維持を含む「総合的な農業経営」が重要であることが強調されるようになった。他方、過去10年間においては、農業技術の普及における社会的ネットワーク、あるいは農民から農民への知識の伝達の役割についての関心が高まってきた。こうした研究では、伝統的な政府による普及システムよりも効率的な普及システムが探求されている。

本論文は、最近の農業技術の採用とその効果に関する事例研究と、農業普及に関する研究とを包括的にレビューし、何が共通する普遍的発見であるか、何が分析上の弱点か、さらに今後究明すべき研究課題は何かを、明らかにしようとするものである。

キーワード:技術採用、生産性への効果、農業普及システム、技術普及

著者
高橋 和志、 村岡 里恵、 大塚 啓二郎
発行年月
2019年10月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト