JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.212 Are the Operations of Microfinance Institutions Different Across Countries? A Comparative Analysis of Cambodia and the Philippines Using DEA and PCA

東南アジア地域の中でカンボジアとフィリピンはマイクロファイナンス機関が非常に発達している国であるが、両国のマイクロファイナンス機関が置かれた経営環境は大きく異なる。本研究では、2009年から2015年の間の両国のマイクロファイナンス機関の経営特性と経営効率性の違いについて、データ包絡線分析(Data Envelopment Analysis)と主成分分析(Principal Component Analysis)を組み合わせた方法を用いて分析を試みた。

分析の結果、カンボジアのマイクロファイナンス機関はサステナビリティ指向が強く、フィリピンのマイクロファイナンス機関はアウトリーチ指向が強い傾向にあることが分かった。また、フィリピンのマイクロファイナンス機関は観測期間を通じてよりアウトリーチ指向が強くなっていく傾向も見られた。さらに、両国の経営の資本集約度には大きな違いは見られなかったが、両国とも資本集約度が高くなっていく経年変化が見られた。

最後に、回帰分析を用いて、経営特性と効率性の変化の要因を分析したところ、初期段階の預金のGDP比率とアウトリーチ指向、資本集約度、効率性がそれぞれ統計的に有意に相関していたことがわかった。これは、マイクロファイナンス機関の発展には、発展初期段階のその他の伝統的な金融機関がどれだけ発展していたかが関連していたことを示唆する結果であると考えられる。


キーワード:カンボジア、フィリピン、マイクロファイナンス機関、経営特性、データ包絡線分析(Data Envelopment Analysis)、主成分分析(Principal Component Analysis)

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