No.226 The Importance of Farm Management Training for the African Rice Green Revolution: Experimental Evidence from Rainfed Lowland Areas in Mozambique

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サハラ以南のアフリカにおいて稲作の「緑の革命」を実現するためには、アジアにおいては伝統的に根付いていた基本的な営農技術(種子選別、苗床、圃場の均平化と畦つくり、正条植え)の普及から始めなければならないという議論がある。

本研究は、モザンビークの天水地区で実施されたそのような営農技術普及のトレーニングをランダム化比較試験の手法を使い評価した。トレーニングはデモ圃場におけるファーマーフィールドスクール(farmer field schools, FFS)と社会的学習(social learning)を通した農家間普及(farmer-to-farmer extension, F2FE)の手法を用い行われた。もみ米収量への処置意図(intention-to-treat, ITT)効果は、不安定な降雨にもかかわらず、447-546 kg/ha (比較対象群の平均収量の29-36%)で、その有意水準は7-8%であった。

この結果は、基本営農技術を普及させることで、近代品種や化学肥料といった近代的投入財に頼らずとも収量を増加させることが可能であり、政策的には、金銭的理由や距離的理由で近代的投入財へのアクセスが限られている遠隔地の農家でも生産増加が可能であることを意味している。本研究はまた、基本営農技術の間には補完性があるため基本技術群をパッケージとして採用することが収量増加にとって重要であることも確認した。

キーワード:営農トレーニング、普及システム、技術採用、稲作、緑の革命

著者
加治佐 敬、 Vu Trang Thu
発行年月
2021年12月
言語
英語
ページ
44ページ
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト