JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.23 Exploring the Causal Mechanism of Collective Action for Sustainable Resource Management — A Comparative Analysis of Rural Water Supply Systems in Senegal —

従来のコモンズ研究を通じて、共用資源利用者間の集合行為は極めて複雑なプロセスを辿るものであること、またその過程に影響を及ぼす要因は、資源や利用者集団を取り巻く自然、社会、経済条件によって大きく異なることが明らかにされてきた。しかし共用資源管理制度形成のための支援を行う場合、常に好条件の場所を選ぶことはできない。本研究では、共用資源管理に伴う集合行為の背景にある因果関係を、特に「媒介要因」-自然・社会・経済的文脈要因と結果としての集合行為とを結びつける中間要因-に着目して明らかにする。事例として、西アフリカセネガルの動力式村落給水施設の住民管理運営制度をケースとして取り上げ、①資源依存度、②便益発生の予測可能性、③制裁適用可能性、④相互信頼可能性、の4つの媒介要因を軸に2サイト間の比較制度分析を行った。結論として、資源の希少性、利用者集団の小規模性・均質性等一般に集合行為成立に有利とされる条件が存在しない場合でも、媒介要因が充足される場合には集合行為は成立する可能性があることが確認された。このことは、共用資源管理制度の分析と制度形成支援にあたって、自然、社会、経済、政策等の文脈的条件とともに、媒介要因に着目することの重要性を示唆するものである。

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