JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.231 Unpacking the Influence of Business Approaches to Development on the Expansion of Women’s Choices and Empowerment: A Case Study of a Handicraft Business in the Kyrgyz Republic

この十数年、国際開発において、支援対象の人々のエンパワメントおよび不平等や貧困のない持続可能な社会の実現を目指して民間セクターとの協働が加速している。既存研究によると、有給の仕事は、選択できる機会やライフスタイルの拡大を通じて、女性など脆弱な人々をエンパワメントするとされている。しかし、経済的(例:収入)・非経済的(例:エンパワメント)利益の間の相互関係はインクルーシブ・ビジネスに関する先行研究がもてはやすほど簡単ではない。

本論文では、国際協力機構(JICA)が日本の製造小売会社と協働しながらキルギス共和国で支援している開発プロジェクトの事例を考察している。協働により構築されたフェルト事業は、イシククル湖周辺に点在する村で何百人もの女性を生産者として巻き込んできている。地元の利害関係者、特にフェルト生産者とその家族へのインタビューに基づくデータの分析を通して、ビジネスによってもたらされる経済的・非経済的要因、および生産者、家族、コミュニティー全体への影響を明らかにした。有給の仕事で得た金銭的利益により、生産者は家計に貢献することができ、自尊心を高めることにもつながっていた。その一方で、ビジネスに参加するという女性の選択が、夫の理解を含む家族の支援の有無など個々の状況に依存していることも示された。本論文は、女性の選択とエンパワメントの形成と維持は、女性の生活における経済的側面と非経済的側面の間の複雑な関係によって影響を受けるため、ビジネスアプローチの開発への適用には可能性と限界の両方があることを示唆している。


キーワード: インクルーシブ・ビジネス、女性、選択肢、エンパワメント、ケイパビリティ、キルギス

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