JICA緒方研究所

出版物

ワーキングペーパー

No.43 99 Problems (But A Crisis Ain't One) Political Business and External Vulnerability in Island Southeast Asia

本ワーキング・ペーパーは、国際金融危機が伝播した時期に、政治とビジネスの関係が、どのように各国の金融危機に対する脆弱性を生み出したのかを分析するものである。東南アジアの島嶼国における、政治とビジネスのエリート間の親密な関係は、アジア金融危機の際には脆弱性を深める原因となったが、2008-09 年の世界金融危機においては、同様のことは生じなかった。政治・ビジネス関係の転換が生じたインドネシアであれ、その関係に変化の見られなかったマレーシア、フィリピン、シンガポールであれ、真の経済危機若しくは金融危機は経験しなかったのである。むしろ東南アジアの島嶼国にとって、2008-09 年の世界金融危機は貿易と投資面でのショックに過ぎず、相対的に小さな危機であった。1997-98 年の危機の発生と 2008-09 年の危機の不在との比較が示しているのは、政治・ビジネス関係というものは、それが経済政策の環境、規制制度、投資家のマインドとの間で相互に関連する場合に限って、対外的な脆弱性に影響を与えるに過ぎないということである。

ページの先頭へ