No.68 A Quantitative Study of Social Capital in the Tertiary Sector of Kobe : Has Social Capital Promoted Economic Reconstruction Since the Great Hanshin Awaji Earthquake?

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第3回国連防災世界会議が仙台で開催される2015年は東日本大震災から4年、そして阪神・淡路大震災から20年にあたる。本件研究は阪神・淡路大震災からの長期的な復興過程を改めて検証するものである。特に、東日本大震災以降、絆の重要性が改めて認識されるようになってきている。それでは、絆はどのようなメカニズムで、どの程度、復旧・復興に重要な役割を果たすだろうか。これまでそのメカニズムは明確には解き明かされておらず、また、特に長期にわたる復興については定量的にも十分捉えられてきてはいない。本件研究はソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の概念を使い、神戸市の特に第三次産業の復興過程(特に雇用増大)においてソーシャル・キャピタルの役割について定量的に研究を行ったものである。ソーシャル・キャピタルの代理変数として犯罪率、三世代同居比率を使用し自己回帰モデルにより分析を行った。推計方法として通常のパネル分析(プーリング、固定効果、変量効果)を行うとともに、Prais-Winstenおよびシステム GMMにより推計を行った。その結果、ソーシャル・キャピタルが雇用の増大に統計的に有意であるとの結果を得ることができた。この結果は今後、東日本大震災からの復興に向けての長い取り組みが続く中、どのように産業を復興していくべきかについて重要な示唆を含むものであるといえる。

著者
島田 剛
発行年月
2014年3月
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #経済政策
  • #社会保障
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト