JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.76 Happiness in Thailand: The Effects of Family, Health and Job Satisfaction, and the Moderating Role of Gender

本研究は、タイにおける家族、健康、職業に対する満足度と幸福度との関連性について調査を行ったものである。分析データは国際協力機構(JICA)の実施した電話アンケート調査に基づいて収集された。具体的にはタイ国立開発行政大学院(NIDA)世論調査の2012年の標本からタイ各地域の人口、年齢、世帯収入に比例する形で単純無作為抽出および層化任意抽出したものである。同データには計1,004人の回答があったが、本研究では対象を就労者に絞り、計799人分の回答のみを使用した。仮説検証には階層的回帰分析の手法を用いて検証し、さらに人口統計学的要因に関連するいくつかの興味深い問題の検証には分散分析の手法を用いた。分析結果からはタイにおいては 3つの満足度(すなわち家族、健康および職業に対する満足度)すべてが幸福度に対して正の相関を示した。ここでの「幸福度」とは現在と将来の2つの幸福度であるが、中でも将来の幸福度については、家族満足度のみが正の相関だった。現在の幸福度については3つの満足度すべてが正の相関を示した。また、3つの満足度の変数のうち、家族満足度が現在および将来の幸福度を予測するうえで最も重要な役割を果たしていた。さらに、本研究結果からは性差が変数としてはほとんど影響を及ぼさないことが示された。本研究結果は、他国における研究結果の妥当性を立証するだけでなく、政策立案者にとって生活や幸福に関する個人の主観的評価が重要であることをも立証するものである。

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