JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.83 Aid Fragmentation and Effectiveness for Infant and Child Mortality and Primary School Completion

本稿は、欧米ドナー間で「援助の氾濫」に対する批判がある中で、プロジェクト援助の集中度と援助の有効性との関係を実証分析によって示すことを目的としている。これまでの「援助の氾濫」と援助の有効性との関係にかかる先行研究の問題点は、本来限定的であるプロジェクト援助の効果を国レベルでみていたことである。これに対して、本稿では、特定のセクター—保健及び教育セクター—に限定して、それぞれのセクターに対して、プロジェクト援助の集中度と援助の有効性の関係を、途上国の援助依存度も考慮に入れつつ示した。その結果、乳幼児死亡率に関しては、「援助の氾濫」を改善しても、それにより乳幼児死亡率への悪影響が小さくなるかは判断できない結果となった。つまり、保健プロジェクト援助の集中の程度を高めても乳幼児死亡率を軽減しない可能性があることが示された。また、中途半端なプロジェクトの氾濫の改善はかえって悪化を示すことが認められた。一方、初等教育修了率に関しては、おおむね、プロジェクト援助を集中させることにより、一貫して正の影響を与えることが示された。

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