実施中プロジェクト

低学年児童における保護者による学習支援の実態把握と低学力の改善に関する研究:カンボジアを事例に

近年、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)や学習到達度調査(PISA)に途上国が参加するようになり、途上国の平均的な低学力の問題が顕著になりました。また、50か国以上で実施されているEarly Grade Reading Assessment (EGRA)調査により、既に初等教育の低学年時から基礎学力を習得できていない児童が多数いることが判明し、中途退学へ繋がっていると懸念されています。このように、途上国における低学年時からの基礎学力の欠落が懸念されていることから、保護者の学習支援活動を資源として、その有効活用を見据えた実証的な研究が早急に求められています。

本研究では、教育の質の改善を目標に掲げるカンボジアを事例国として、保護者による詳細な学習支援の具体的方法及びその資源について調査研究を行いました。研究方法としては、子供の学習到達度と保護者の学習支援に関する学術論文等の収集と分析を行うほか、学校長、教員、低学年児童(学年は第3学年を予定)、調査対象となった児童の保護者(或いはそれに代わる後見人)への質問票調査を行いました。さらに質問票では収集不可能である詳細な内容、分析後さらに深堀りが必要な項目について、インタビューを実施しました。本研究の結果から、途上国においても有効かつ可能な支援体制を示唆することにより、家庭の資源に起因する学力格差を制御できるよう具体的支援行動を提示し、保護者及び学校の行動変容を促進することを目指しました。

研究領域
人間開発
研究期間
2015年12月24日 から 2025年03月31日
主査
亀山 友理子
JICA緒方研究所所属の研究者
日上 奈央子
関連地域
  • #アジア