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ASEAN統合における「人間の安全保障」の主流化

本研究では、「人間の安全保障」をASEAN統合における中心的な課題に据えるという観点から、第一に、各国におけるMDGs(ミレニアム開発目標)の達成状況を把握し、改善の課題を明らかにすること、第二に、越境犯罪、感染症、環境汚染等、一国レベルでは解決が困難な問題について、地域レベルでの協力のあり方や日本の関与の方法について探究すること、の二つを目指しました。

その結果、特に二つめの一国レベルでは解決が困難な問題への提言として、感染症対策を中心としたポリシーブリーフを発行しました。要点は以下の3点です。
1.感染症対策を東アジア地域協力の1つの核として推進すべきである。その際、地域全体を脅威から守るという視点から、感染症に対する対応能力が特に低い域内諸国への支援を強化すべきである。
2.実効的な感染症対策を構想するにあたっては、医学・疫学分野と社会科学や生態学など他分野との協力を推進することが必要である。
3.地域全体として感染症に対する耐性を高めるために、研究・対策策定・人材育成が一体となった地域共用の研究拠点を設置することが望ましい。

このほかの研究成果全体は、国際会議やシンポジウム等でも活用されました。詳細は研究成果一覧を参照ください。