JICA緒方研究所・JICA横浜 海外移住資料館共催 2023年度移住史・多文化理解オンライン講座 ~社会のつながりの力~ 第1回 海外日系人と日本社会の歴史的つながり 「送り出し社会と移住先をつなぐ「陰の功労者」 ~石川県海外移住家族会の役割~」 「戦後の海外移住実施機関と役割の変遷にみる移住・日系人事業」

掲載日:2024.01.17

セミナー |

セミナー概要

日本で増えつつある海外からの多様な移住者の背景について理解を深めるため、JICA 緒方研究所とJICA横浜 海外移住資料館は「2023年度移住史・多文化理解オンライン講座」を共催します。日本に暮らす人々の中には、さまざまな外国のルーツを持つ方々がいます。しかし、そのことはあまり知られていません。多文化共生とは、まずは「他者」を理解しようと努めることから始まるのではないでしょうか。本講座では、国境を越える人々がどのような思いで移動し、どのような生活を送ってきたのか、その歴史や社会背景の理解を通じて、多文化共生を共に考えていきます。
本講座は、JICA緒方貞子平和開発研究所の研究プロジェクト「日本と中南米間の日系人の移動とネットワークに関する研究」の活動の一環として開催されます。また、南北アメリカへの日本人の海外移住の歴史を展示するJICA横浜 海外移住資料館と共催し、過去・現在の海外移住の経験を見つめなおすことを目指しています。2023年度の講座では1~3月の全7回の講座を通じて、「つながり」をキーワードに多様なルーツを持つ人々がさまざまな社会のつながりを築いてきた例をみながら、つながりや連帯がもたらす可能性を考えます。

研究プロジェクト「日本と中南米間の日系人の移動とネットワークに関する研究」ページには、2021年度及び2022年度に実施したオンライン講座の開催報告やセミナー録画も掲載されています。是非ご覧下さい。

発表概要

第1回では海外日系人と日本社会の歴史的つながりを振り返ります。まず名桜大学の長尾直洋准教授による「送り出し社会と移住先をつなぐ「陰の功労者」~石川県海外移住家族会の役割~」をテーマにした講演が行われます。続いて、JICA中南米部の小原学部長による「戦後の海外移住実施機関と役割の変遷にみる移住・日系人事業」をテーマにした講演が行われます。

第二次世界大戦前から戦後にかけて、多くの人々が日本から海外へと移住しました。海外移住というと、当事者である移住者に注目が集まることが多く、送り出し社会に残された家族や親族と移住者との関係についてはこれまであまり注目されてきませんでした。講座の前半では、石川県の海外移住家族会に焦点を当て、送り出し社会と移住先間のネットワーク形成において家族会が果たした機能について考えます。

講座の後半では、移住者送り出し機関・事業の変遷と海外日系人との関係に目を向けます。国際協力機構(JICA)は、前身組織(日本海外協会連合会・日本海外移住振興株式会社・海外移住事業団)以来、移住・日系人事業を組織の業務の一つとしてきました。戦後の移住者の送出から移住者援護、そして日系社会支援へと事業の重点が修正されつつ、今日では、日系人は国際協力事業のパートナーと位置づけられ、更には外国人との共生社会における協働にまで幅を広げつつあります。その過程で、組織は海外移住事業団からJICAへと統合・再編が図られてきました。講座では戦後の「移住者・日系人・日系社会」を対象とした事業と実施機関の役割の変遷について考えます。

スピーカー

長尾 直洋(名桜大学 国際学部 准教授)
小原 学(JICA中南米部 部長)

司会:長村 裕佳子(JICA緒方研究所 研究員)

プログラム

18:30 開会
18:35 講演
19:35 質疑応答
20:00 閉会 

参加申し込み

以下のリンクからお申し込みください。
※お申込みは2023年1月24日12:00(正午)で締め切らせていただきます。

お問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所 担当者:長村
Eメール:ditas-rsunit@jica.go.jp 

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