【終了】プロジェクト・ヒストリー『僕の名前はアリガトウ 太平洋廃棄物広域協力の航跡』出版記念セミナー
掲載日:2019.02.28
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JICA研究所では、これまでに行ってきたJICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第21弾として、『僕の名前はアリガトウ 太平洋廃棄物広域協力の航跡』を刊行しました。
サモア、フィジー、トンガなど、太平洋に浮かぶ南国の楽園といったイメージが強い島しょ国。しかし、国土の面積が狭い、人口が少ない、経済規模が小さいといった島しょ国だからこそ、見過ごせない課題に直面しています。その一つが、廃棄物管理。ゴミとなる物資は海外からどんどん輸入しているにもかかわらず、処理施設がなく、その管理を担える人材も少ないため、埋め立て地にゴミをただ投棄するだけとなり、悪臭や汚水の垂れ流しによる周辺環境の汚染などが、この地域共通の課題となっていました。
そこでJICAは、2000年のサモアでの支援を皮切りに支援を始め、日本の廃棄物管理の知見を生かして2011~16年には11カ国を対象に「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト(通称J-PRISM)」を、2017年からは9カ国を対象に同プロジェクトのフェーズ2を実施中。本書では、廃棄物管理支援がどのように始まり、数々の荒波にのまれながらも、どのように二国間協力から大洋州広域への協力に発展していったのか、15年あまりの“航海”を振り返ります。
本書の著者である天野史郎氏は、JICA専門家としてこの協力に一貫して携わってきました。「技術は人から人へ伝えるものであり、人が主役」という信念を持ち続け、各国が抱える事情にも丁寧に向き合い、カウンターパートである現地の人材を育てることにこだわっています。あくまでJICA専門家はコーチであり、実際に試合に出るのは現地の選手たち。今やこの協力に欠かせない人材となったサモアのファフェタイ・サガポルテレ氏をはじめ、多くの日本人専門家と共に奮闘した島しょ国の人々の成長を追った物語です。
本セミナーでは、本書の著者である天野史郎氏(インスピラーレ開発研究所)のほか、国内における研修にてプロジェクトに貢献した桜井國俊氏(沖縄大学名誉教授)、西川順一氏(志布志市役所)、現場で天野氏とともに活動した坂井友里江氏(元J-PRISM専門家、国際航業株式会社)、杉山茂氏(JICA)をお招きし、それぞれのお立場から大洋州における多様性と廃棄物問題についてお話を伺います。
独立行政法人国際協力機構 JICA研究所(担当:桑江・石原)
メール:ditas-rsunit@jica.go.jp
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