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『Climate Change Adaptation and International Development』(JICA研究所編著)をCOP16のサイドイベントで発表

2010.12.20

2010年11月29日から12日間、約200カ国が参加しメキシコのカンクンで「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)」が開催され、地球規模の課題となっている気候変動問題に関する重要課題が議論されました。全会一致が得られなかった昨年のコペンハーゲン会合と比較し、本会合では、開発途上国を含む参加者らは、国連主導の枠組みの下で気候変動問題に責任を持って積極的に取り組むことで最終合意に達するなど、一定の成果を収めています。

気候変動問題をめぐる議論は、これまでは緩和策が中心となってきましたが、現在では徐々に適応策にも広がってきています。JICA研究所の豊田知世リサーチ・アソシエイトは、「地球温暖化が仮に緩和できたとしても温暖化による影響を完全に阻止することはできない。来るべき変動に適応する必要がある」と指摘。こうした流れを受けて、JICA研究所は『Climate Change Adaptation and International Development』を発刊し、COP16のサイドイベントで発表しました。

本書は、環境問題に特化した英国の大手出版社であるEarthscan社から刊行されたもので、国際的な専門家の手による世界各国・各地の適応事例研究をまとめた内容となっています。川西正人JICA国際協力専門員は、COP16のサイドイベントである「Development and Climate Days」で、150人以上の専門家を前に本書の概要を紹介。世界資源研究所やストックホルム環境研究所の関係者から賛同の声が寄せられるとともに、同分野のオピニオンリーダーたちから新たな議論を引き出すきっかけとなりました。

独立した各事例を編纂し出版された本書は、「各事例には共通事項があり、それが何かを学ぶために本書を作った。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が行った最新の評価報告で"現場の知"が足りないとの指摘があったが、本書は部分的ではあるがそれに応えるもの」(川西専門員)となっています。

関連研究プロジェクト:開発途上国における気候変動適応策と緩和策の研究

開催情報

開催日時:2010年11月29日(月)~2010年12月10日(金)
開催場所:メキシコ カンクン

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