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「能力開発とインフラ」でワークショップ、細野上席研究員が発表

2011.02.28

ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)とJICAは2011年2月17、18両日、英国ロンドンのSOAS内で、能力開発(キャパシティ・ディベロップメント=CD)とインフラの相関関係をテーマにしたワークショップを主催しました。JICA研究所からは細野昭雄上席研究員が出席し、「CDのブラックボックスの中身は」のテーマで発表しました。参加者は総勢100人強。

プレゼンテーションで細野上席研究員は、CDプロセスに不可欠な5つの要素(「当事者意識(オーナーシップ)」「相互学習と問題解決」「(法整備などの)環境・制度」「(スケールアップのための)戦略」「(ドナーによる)支援」)について解説した後、JICAが協力した中南米の防災プロジェクトやコロンビアの都市開発プロジェクトをCDの視点から紹介。「経済発展に果たすCDの役割は重要。CDの考えを積極的に援助に取り込んでいくべきだ」と述べ、援助戦略としてCDを主流化していく必要性を強調しました。

このほか、日本からは、JICA英国事務所の神公明所長(題目は「技術協力の価値と金融支援との潜在的シナジー」)や政策研究大学院大学(GRIPS)の大野健一教授(同「アフリカの産業政策:アフリカは東アジアから何を学べるか」)、法政大学の下村恭民教授(同「東アジアとサブサハラ・アフリカのインフラ建設の経験:相互学習の比較研究」)、拓殖大学の藤本耕士教授(同「インドネシアのインフラ開発の事例:ブランタス川流域の開発プロジェクト」)がプレゼンテーションしました。

プレゼンテーションの合間に設けられた討論の時間には、さまざまな角度から活発な議論が行われました。「インフラを経済発展に生かすためにはCDが欠かせない」「CDをベースとした経済発展のためにインフラは重要」といった声が参加者らから相次ぎ、CDとインフラは経済発展をもたらす両輪であることが確認されました。

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このワークショップの正式名称は「アジアとアフリカにおける援助と開発:東アジアの発展の中で果たしたインフラとCDの役割、そしてアフリカ発展に向けたその意味合い」。被援助国に対するCDを重視してきたJICAの援助のあり方から学び、それをアフリカ支援にも生かそうというのがこのワークショップの狙いです。

関連研究領域:援助戦略

関連研究プロジェクト:事例分析に基づくCDアプローチの再検証

開催情報

開催日時:2011年2月17日(木)~2011年2月18日(金)
開催場所:英国 ロンドン ロンドン大学東洋アフリカ研究学院

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