JICA・世界銀行・AERCによる「アフリカ企業の成長戦略」セミナー開催

2010.05.17

5月7日、アフリカのナイロビにおいてJICA、世界銀行およびAERC(African Economic Research Consortium)は、アフリカ各国政府の閣僚レベルを含む政策担当者、経済開発分野の専門家、そして民間企業の経営者らを対象とした「アフリカ企業の成長戦略」セミナーを共催しました。同セミナーでは、アフリカの経済成長を加速させるためには、民間セクターの競争力をさらに高めることが鍵となるとの認識が共有されました。JICA研究所からは、恒川惠市所長および武藤めぐみ研究員が参加し、恒川所長は冒頭でスピーチを行い、武藤研究員はラウンド・テーブル・セッションでの討議に加わりました。

恒川所長はそのスピーチの中で、東アジアの成長の成功要因の一つは、変化する経済環境の中で現地の中小企業がいかに新しい機会をとらえ、成長していったかというところにあると述べました。また、アフリカの民間セクター支援に当たっては、アフリカ各国とJICAをはじめとする国際的な援助機関が連携を保ちつつ効果的な支援についての認識を共有することが必要であり、そのためにも、アフリカ企業の成長過程について深く理解することが不可欠であると述べました。

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セミナーは、個別の調査研究結果に基づく3つのディスカッション・セッションと、それに続くラウンド・テーブル・セッションが用意され、第一セッションでは、Africa Competitiveness Report 2009が報告されました。また第二セッションでは、アフリカにおけるSpecial Economic Zonesなど特別区政策のあり方、第三セッションでは、自然発生的に形成された産業集積における零細・小企業の成長の可能性に関し議論されました。特に、アフリカの地場の企業がアフリカ域内市場、さらには国際的な輸出市場とどのようにつながることができるのかが、中心的な議題となりました。

武藤研究員が参加したラウンド・テーブル・セッションでは、アフリカ域内市場の環境整備が優先課題として挙げられ、ソフト面(制度的な枠組み作りなど)やハード面(インフラ整備など)でのリーダーシップや政府の役割に関して活発な意見が交わされました。

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また本セミナーでは、JICAと世界銀行、AERC、および国際開発高等教育機構(FASID)が共同作成した、研究成果のサマリーおよび政策提言を取りまとめた冊子が配布されました。本提言には武藤研究員の研究成果の一部が引用されています。

関連研究領域:成長と貧困削減

関連ファイル

開催情報

開催日時:2010年5月7日(金)
開催場所:ケニア、ナイロビ

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