タンザニアでアフリカ軽工業研究のフォローアップ調査を実施

2010.10.06

世界銀行は、アフリカにおける農業以外の産業の未発達および農業以外の所得を通じた貧困からの脱却という観点から、軽工業分野を中心に最適な産業育成政策のあり方を模索しています。この研究活動の現地における企業調査および分析を担当する政策研究大学院大学の大塚啓二郎教授と園部哲史教授から、「アフリカ産業集積の実証研究」プロジェクトで経験と実績のあるJICA研究所の同プロジェクトチームに協力要請があり、上記の活動に貢献するためにこの研究に取り組んでいます。

9月21日から28日にかけてタンザニアの旧首都ダルエスサラームで、鍾秋悦リサーチ・アソシエイトが、自ら研究メンバーの一人として取り組んでいる「世界銀行アフリカ軽工業研究との連携調査」プロジェクトの一環として、調査員トレーニングやプレテストなどを行いました。

今年5月から6月にかけて上記大塚・園部両教授を中心に、ダルエスサラームに集積するガーメント(衣類)産業に携わる経営者を対象として、質問表(政策研究大学院大学・国際開発高等教育機構が作成)を用いた改善研修が実施されました。今回はその研修のフォローアップ調査を目的として行われました。鍾リサーチ・アソシエイトは、その調査を実施するために現地で選抜された調査員へのトレーニングと調査の業務管理を担っています。調査に使用する質問表において、ひとつひとつの質問の意図や言葉の定義についての説明を行い、調査員に質問への理解を高めてもらうほか、質問内容が現地の現状と合致しているか調査員に確認し、修正を行いました。またプレテストでは、調査員のインタビューに同行し、適宜インタビュー方法に関する指示確認などを行いました。実際にインタビューを行うと、トレーニングを受けても調査員の質問に対する理解が不十分のところがあり、聞き落とし項目や質問の矛盾などの問題が起こりました。その際、すみやかに確認を行い、調査員にインタビューの聞き直してもらいましたが、今後はこれらが改善されるように調査員トレーニングへの協力強化に努める予定です。

今回の調査員トレーニングやプレテストを通じて、鍾リサーチ・アソシエイトは次のような進展があったと話しました。「ガーメント産業の経営者たちは、改善研修を受講したことで、産業を拡大するための経営知識を身につけ、その結果、ミシンの導入強化など積極的な設備投資を行ったり、製品の展示室を設けたり、収支を管理する会計簿を作成するなどの進展があったのは興味深い」

今後、年末にも研修が予定されていることから、引き続きフォローアップ調査に協力する予定です。またこの研究成果として、2013年に開催予定のTICAD Ⅴ(第五回アフリカ開発会議)などへの貢献を期待しています。

問い合わせ先

JICA研究所 企画課
電話:03-3269-2357

開催情報

開催日時:2010年9月21日(火)~2010年9月28日(火)
開催場所:タンザニア ダルエスサラーム

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