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SABERに関するセミナーを開催:JICAと世銀の連携促進へ向けて

2011.11.25

JICA研究所は11月4日、世界銀行のケビン・マクドナルド氏を迎え、同銀行が進めている新プログラム「SABER」(System Assessment and Benchmarking for Education Results:教育システム分析ツールの研究開発)についてのセミナーを開催しました。SABERとは万人のための学習を実現するため、各国の教育システムの体系的な調査とパフォーマンス強化を支援するために開発されたプログラムです。

マクドナルド氏は世界銀行人間開発部教育担当局エコノミストで、SABERの政策領域のひとつである衡平性(エクイティ)に関する研究を担当しています。

SABERの衡平性について語るケビン・マクドナルド氏

現在JICAと世銀は、SABERをテーマとする共同研究プロジェクト立ち上げを企画しています。今回のセミナーは両機関の意見交換を促進する取り組みの一つとして開催されました。

マクドナルド氏は「東アフリカにおける学習成果の衡平性の促進 – SABERエクイティ」をテーマに発表を行いました。同氏の担当するチームの目標として、(1)世界各国の学習成果の格差を測定し、最も衡平性の高い国を特定する(2)高い平等性を実現するために有効な政策はどんなものかを分析する、の2点を挙げ、世界全体の学習成果の衡平性を向上させることが「SABERエクイティ」の主な目的だと述べました。

マクドナルド氏はさらに、エクイティとその他の要因(裕福度や民族性など)の相関関係を提示し、その後、オマーンやブルキナファソなどの国別の学習エクイティ調査を紹介しました。また、現地の専門家や政策立案者とのコミュニケーションを促進することで、研究成果をいかに政策決定に組み入れていくかなど、世銀の国レベルでの活動の戦略について説明しました。

20111104 結城研究員セミナー8.jpg

続いて、世銀との共同研究を担当するJICA研究所の結城貴子研究員が、東アフリカの教育分野の目標・戦略を支援する世銀とJICAのそれぞれの取り組みについて発表しました。結城研究員は、JICAは東アフリカで過去多くの技術協力プロジェクトを実施しており、その豊富な経験とデータでSABERプログラムの発達に大きく貢献できると語りました。

最後の質疑応答セッションでは、参加した研究チームのメンバーやJICA人間開発部の職員からさまざまな質問やコメントが寄せられ、活発な意見交換が行われました。

JICA研究所は今月末にも世界銀行主任教育エコノミストであるハリー・パトリーノス氏を迎え、セミナーを開催する予定です。研究チームが共同研究についてディスカッションをさらに深める貴重な機会になることが期待されます。

開催情報

開催日時:2011年11月4日(金)
開催場所:JICA研究所

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