JICA研究所、フィリピンでのGDN年次総会でプレナリーセッションを主催

2013.06.27

6月19日から21日にかけて、第14回Global Development Network (GDN)年次総会が、フィリピンのマニラに本部を置くアジア開発銀行(ADB)で開催されました。GDN-Japanのハブ機関を担うJICA研究所は、レジリエンス研究に関するプレナリ—を主催し、2012年日本国際開発賞(注)の受賞候補者による最終プレゼンテーションを行うパラレルセッションにも参加しました。

本総会は、 GDN各地域ネットワークメンバーの他、世界銀行、ADB、アフリカ開発銀行(AfDB)、米州開発銀行(IADB)、国連機関、さらに世界各国のNGO・民間シンクタンクなどから約450名が参加し、JICA研究所からは、加藤宏所長、村上博信企画課長、相川明子リサーチオフィサーが出席しました。

今回の会合では、「不平等、社会保護、包摂的成長」を全体のメインテーマとして取り上げ、19日の開会プレナリ—では、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアなどの各地域の視点から、パネリストによる発表が行われました。その後の開会式では、ピエール・ジャケGDN総裁をはじめ、中尾武彦ADB総裁、ベニグノ・アキノ フィリピン共和国大統領(基調講演)などによるスピーチがありました。

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加藤所長

同日のパラレルセッションでは、2012年日本国際開発賞の最終候補者であるインド、ウガンダ、バングラデシュからの3名による発表が行われ、加藤所長が議長を務めました。受賞者発表は、最終日の授与式で行われ、加藤所長から賞を授与しました。

研究所が主催した最終日のプレナリ—セッション、「Toward a More Resilient Society: Perspectives of Asian Young Researchers on Post-2015」では、加藤所長が再び議長を務め、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ各国からそれぞれの研究者が、自然災害における家計のレジリエンス、災害におけるコミュニティの役割、地域社会の知識、社会資本、個人レベルのレジリエンスの研究テーマについての提案を行い、ピエール・ジャケGDN総裁とカナダ国際開発研究センター(IDRC)のアルジャン・デハーン氏2名の有識者を交えての議論が行われました。アジアの若い研究者は、取り扱う対象レベル、セクターが異なる各研究テーマの中で、どのようにレジリエンスの概念を定義し、なぜレジリエンスが重要かについて意見を交わし、ジャケ氏は、レジリエンスという学際的な幅広い概念の研究テーマの提案段階で、このようなセッションを実施することはGDNとして実験的な取り組みであると評価しました。その上で、レジリエンスという概念を分析し、捉えなおす必要性にも言及しました。

また、研究者育成にかかるドナー会合では、出席した加藤所長から、JICA研究所が、「東アジアおよび東南アジア事例研究」の研究企画案の募集を行ったことなどを説明しました。

今回の年次総会に研究所が積極的に参加し、セッションの一部を主催したことにより、著名な研究者や各ドナー機関研究部門関係者とのネットワーク構築の強化が図られたと同時に、研究所の取り組みがこれら研究者の間で高く評価される機会となりました。

(注)国際開発賞は、宮沢蔵相(当時)が1999年に提唱したもので、開発分野における研究や刷新的な開発プログラムを発掘・助成する為に、日本政府の資金により授与されている日本国際開発賞(Japanese Award for Most Innovative Development Project:以下「プロジェクト部門」及び、Japanese Award for Outstanding Research on Development:以下「リサーチ部門)」の両賞)、並びに他国政府・団体等の資金により、5つのテーマ別に優秀な研究を表彰するMedals for Research on Development(以下「メダル部門」)で構成されています。GDN年次会合において、最優秀賞候補者プレゼンテーション、審査会、及び授賞式が行なわれています。

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最終日の授与式

開催情報

開催日時:2013年6月19日(水)~2013年6月21日(金)
開催場所:フィリピン、マニラ

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