JICA研究所の代表が「産業戦略と経済構造転換」について北京大学で講演

2014.03.14

2月26日、北京大学国家発展研究院にて、JICA研究所の細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザー(SRA)が講演を行いました。本講演は、前世界銀行副総裁・チーフエコノミストのジャスティン・リン北京大学教授の招きで実現したものです。

リン教授が提唱している新構造経済学(New Structural Economics:NSE)では、各国の経済社会資源の制約は時とともに変化し、各国の比較優位もまた資源制約の変化に伴い変化していくものとされています(動的比較優位)。この「動的比較優位」に沿った経済構造の変化を促し、経済発展に繋げるためには、産業戦略においてハード・ソフト両面のインフラが重要だと考えられています。

細野SRAは、産業戦略と経済構造転換-新構造経済学(NSE)の視点から「Industrial Strategy and Economic Transformation from New Structural Economics Perspective」と題した講演を行いました。講演のなかで、ブラジルのセラード地域における農業をはじめ、タイの自動車産業、チリのサケ産業、バングラデシュのアパレル産業、タンザニアのコメ産業、さらに、シンガポールの産業政策を事例に、各国が「動的比較優位」を実現する過程を説明しながら、インフラと技術革新が果たす役割の重要性を強調しました。また、「動的比較優位実現のためには、インフラや技術革新のような市場の失敗がおきやすい分野における公的機関の役割も大切である」と述べました。

細野先生講演.jpg

細野SRAの講演の様子

当日、会場には、北京大学の教職員や学生ら約40名が集まり、活発な質疑応答が行われました。

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*世界銀行チーフエコノミスト ジャスティン・リン氏、開発の新しいアプローチを提案

開催情報

開催日時:2014年2月26日(水)
開催場所:中国、北京

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