ガーナで開催された「低所得国の金融システムの安定とインクルーシブな発展」に関する公開セミナーとワークショップで研究所代表が発表

2013.09.25

9月10日と11日の二日間にわたり、ガーナの首都アクラで英国開発研究所(Overseas Development Institute: ODI)が主催した「Financial Regulation in Low-Income Countries: Balancing Inclusive Development with Financial Stability」のテーマによる公開セミナーとワークショップに、JICA研究所から細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザー(SRA)が出席しました。

ODIの国際研究プロジェクトの一環として開催されたこのイベントには、主催地であるガーナ大学のErnest Aryeetey副学長、ODIのDirk Te Velde主任研究員、コロンビア大学のStephany Griffith-Jones教授、ガーナ中央銀行Henry Kofi Wampah頭取、インド中央銀行前副総裁Usha Thorat氏、さらにISSER(Institute of Statistical Social and Economic Research)所長のFelix Asante氏などが出席し、議論に参加しました。

発表者の一人である細野SRAは、「Development finance for structural transformation and inclusive growth: Asian experience」のテーマで発表を行い、最初に東アジアにおける開発金融機関の役割についての概略を述べました。東アジア各国は、長期の低金利の資金を融資する開発金融機関を創設することにより、工業化、インフラ建設などによる経済発展を推進するとともに、農業や中小企業への融資を行い、インクルーシブな発展を促したことを指摘しました。早くから工業化を進めた日本や韓国、台湾では、開発銀行が工業化に大きく貢献し、その一方で、外国企業による直接投資の拡大や金融の国際化が進んだ時期に工業化を進めたASEAN諸国では、一般に開発金融機関は、中小企業や農業などの分野への融資を中心とした制度金融によって、インクルーシブな発展を促した経験を顕著な事例に沿って紹介しました。

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9月10日のワークショップ

また、Griffith-Jones教授や、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、エチオピアの研究者からは、サブサハラ・アフリカにおいて、銀行を始めとする金融システムのさらなる整備が必要であり、金融システムがインクルーシブな発展を促進する役割を担うべきであることが強調され、背景は異なっていても、東アジアやインドの経験が参考になるとの意見が表明されました。

開催情報

開催日時:2013年9月10日(火)~2013年9月11日(水)
開催場所:ガーナ大学

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