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JICA研究所員が参加した中国対外援助研究の成果が英文書籍『A Study of China's Foreign Aid: An Asian Perspective』として刊行

2013.12.17

Palgrave Macmillan社より、中国の対外援助について多角的な観点から考察した研究の成果として学術書『A Study of China’s Foreign Aid: An Asian Perspective』が出版されました。本書は、公益財団法人日本国際問題研究所による「中国の対外援助に関する知的交流プロジェクト」の研究成果を発展させたものであり、2013年1月に出版された日本語による書籍『中国の対外援助』の姉妹版という位置づけです。五部構成からなる本書は、下村恭民法政大学名誉教授と大橋英夫専修大学教授が共同編集しており、著者としてJICA研究所から北野尚宏副所長と小林誉明元リサーチ・アソシエイト(現横浜国立大学准教授)が参加しています。

本書の特徴として、国際的に注目を浴びている中国の援助に関する日本、フィリピン、中国の3か国の専門家による共同研究の成果となっていることが挙げられます。中国の援助に関する既存研究の多くは、西欧ドナーや国際援助コミュニティの視点から分析されるものでした。しかし、中国は、アジアにおいて援助受入国としての歴史をもち、その受入経験を経て蓄積された知識を活用し、他の途上国に対する援助を展開しているという実態があります。本書では、この「アジアのドナー」としての中国に着目し、他のドナーとの共通点や連携の可能性などを模索しています。

編者の下村名誉教授と小林氏との共著となる第二章「Aid Volume in a Historical Perspective」(第二部: Basic Facts of A Rising Donor所収)では、その全貌が明らかにはなっていない中国による援助の「ボリューム」を、様々な手掛かりを元にして推計し、近年のスキーム毎の拠出額を算出するとともに、長期的な文脈における位置づけを考察しています。

北野副所長による第八章「The Impact of Economic Cooperation on Asian Countries: Focus on the Mekong Region and Central Asia」(第四部 Impacts of China's Foreign Aid所収)では、中国のアジア諸国との経済協力について、隣接地域であるメコン地域と中央アジアとの連結性を、運輸・エネルギー分野の越境インフラ整備により改善しながら、各国との関係を深化させる中国の動向について、援助のみならず貿易・投資を含めた総合的な観点から分析しています。

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