「ジャカルタ漁港」にかけたコンサルタント人生40年:有償資金協力によって発展したジャカルタ漁港の軌跡をたどる書籍の刊行記念セミナーを開催

2014.06.13

JICA研究所では、JICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」を刊行しています。その第10弾として2014年3月に『ジャカルタ漁港物語-ともに歩んだ40年-』を刊行しました。本書の出版を記念して6月5日にJICA市ヶ谷にて、一般社団法人 海外コンサルティング企業協会(ECFA)とJICA研究所、地球ひろばとの共催による公開セミナーを開催しました。

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折下氏の基調講演

基調講演は、株式会社オリエンタルコンサルタンツ GC事業部港湾部プロジェクト部長の折下定夫氏が登壇しました。本書の著者である折下氏は、開発コンサルタントとして1978年からジャカルタ漁港プロジェクトに参画、以後35年余りにわたって継続的にプロジェクトに従事してきました。この講演の中で折下氏は、1973年から始まったプロジェクトの歴史や施設拡張の変遷を紹介するとともに、世界最大の群島国家であるインドネシアにとってのジャカルタ漁港の位置づけや、漁港で水揚げされる水産物がどのようにインドネシア国民の食生活を変えたのか、漁港における雇用の拡大による周辺経済へのインパクトなどについて説明しました。加えて、竹杭・竹マットを利用した防波堤の建設や、潮位差を利用した海水の浄化システム、マングローブ植林による護岸保護など、現地の状況にあわせて創意工夫した取組を紹介しました。最後にコンサルタントとしての長い経験を踏まえた教訓として、プロジェクトは自分の子どもと同じであること、粘り強い情熱がプロジェクト実現の道を開くこと、広報活動がプロジェクトに責任性と活気を生むことなどを述べました。

続いて、JICA経済基盤開発部運輸交通・情報通信第一課の小泉幸弘課長がコメンテーターとして登壇し、インドネシアに対するODAの役割や今後の展望について説明するとともに、現場で求められるコンサルタントの知見とこれに対する期待について述べました。

発表終了後、会場にいる参加者との質疑応答・意見交換が行われ、開発コンサルタントを目指すにあたってどのように専門性を養っていくべきかなど、キャリア形成に関する質問や、ジャカルタ漁港で培われた技術が他の国や案件で利用された例についてなど、活発なやりとりが行われました。

開催情報

開催日時:2014年6月5日(木)
開催場所:JICA市ヶ谷ビル

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